1月18日
畑で野菜作りを行う際に、その土台となる土壌作りは非常に重要。
[良い土壌とは]
①水はけと通気がよい ②水持ちがよい ③土の酸度が適正 ④肥料分に富む ⑤病原菌や害虫が少ない
土には粒子の大小があり、細粒の粘土と粗粒の砂の割合が土によって異なる。この両者をバランスよく含む土壌がもっとも野菜を育てやすい。同じ粘土と砂の割合でも、それぞれの粒子が固まりあって団粒構造を成している土は、団粒と団粒の間に空気が入るので、ばらばらの単流構造の土より排水がよく、土壌中の酸素も豊富で、保水力も富むという優れた性質をもつ。愛知県みよし市の土は砂と粘土が半分ずつ詰まっている。
[団粒構造の土を保つために]
・団粒化のためには、堆肥またはそれに代わる有機質素材(稲わら、牛糞、腐葉土など)を十分に施すことが必要 *コスト面から牛糞が使いやすい
・冬の間によく耕し、寒気にさらして風化させることも、排水、酸素補給、病害虫対策の手段として有効
・畑の上は、作業の際に踏み固めたり、地表面が降雨でたたかれたりすると、表面からの空気(酸素)の流入不良となる。この対策として、時々、除草や中耕の際に、地表を鍬などで軽く耕し、通気をよくしてやることも必要。休閑期、1~2年に一回くらいは、30cm以上深く耕すとよい。
・排水不良も土中の酸素濃度を下げてしまうので、根腐れをおこしたり、細根の先端が枯れることによる病原菌の侵入や枯死の原因となる。なので、降雨後に水たまりをつくらないよう畑全体の高低を考えに入れて、畑の表面排水に留意し、周囲に排水溝を設け流去しやすくしたり、隣地からの流入を防いだりすることが大切。
[酸度]
・野菜の多くは、PH5.5~6.5弱の微酸性を好む
・酸度の測定は、市販の酸度計で測定可 *市販の酸度計は土に入れて20分ほど待つ
[腐食]
腐食とは、土壌微生物の働きで、動植物の死骸が分解/変質した総称。土壌を団粒化したり、保肥力を高めたりする効果がある。腐食が多いほど地力が高いとされる。
[土の改良]
(植え付けの一ケ月前までに実施)
・堆肥を混ぜ込む:保水力が弱く乾燥しやすい砂質土、水はけも通気性も悪い粘質土は、堆肥を混ぜ込むことで改善できる
・石灰を混ぜ込む:土壌PHが低い場合は、土に石灰が覆うようにまき、鍬で20~30cmの深さまでよく耕す
・天地返し:土を深く掘って(約1m)、上層と下層の土を入れ替える作業。これにより、土壌中の病気や害虫を滅したり、水はけや通気性をよくすることができる
[番外編]
・休耕期に、①堆肥として牛糞 2トン/10a施用 ②土壌殺菌剤としてフロンサイド粉剤:30~40kg/10aで土壌混和する。 *フロンサイドは、アブラナ科の根こぶ病、馬鈴薯のそうか病、粉状そうか病、ねぎの白絹病、レタスの裾枯病、カンショの寄腐病など広範囲の病害に有効 *根こぶ病多発圃場では、石灰類との併用でより防除効果が高まる *フロンサイドは風で飛ばないように砂と混ぜて手で握って置くと散布しやすい。また、牛糞は牧場から大量購入するとお得。
・鶏糞は肥料成分が強く、追肥で使うとよい。鶏の糞の白い部分は石灰
・石灰は苦土石灰が、苦土(マグネシウム)をバランスよく含み、効果が穏やかで扱いやすい